全国の優れた医療的ケア児者支援の事例を広く紹介し、「縁の下の力持ち」として現場で地道に頑張っておられる方々に光を当てる目的で、昨年度立ち上げたアワード、今年が2回目の開催です。
会場は、東京・天王洲アイルのWHAT CAFE。
当事者や家族、支援者をつなぐ全国医療的ケアライン等から推薦いただき、本年度は応募総数15件、12団体・自治体の中から、頑張る自治体職員部門1名、やさしいまちづくり部門2団体が受賞しました。
首長では、白岩南陽市長さんと石井君津市長さんが出席してくださいました。
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<頑張る自治体職員部門>
横浜市こども青少年局障害児福祉保健課 浅野美和さん
行政と現場をつなぐ調整役として活躍するスーパー職員さん。現場の声を行政施策へ反映させる姿勢が厚い信頼を集め、神奈川県全体の医療的ケア児支援の底上げにつながっています。
<やさしいまちづくり部門>
①北良株式会社(岩手県北上市)
医療用インフラ技術を活かし、先進的な地域支援を展開。視線入力によるeスポーツ大会やアート活動を行うほか、停電時も稼働可能な移動型避難所「WHOLE EARTH CUBE」や安否確認システム「ANPY」などは特筆すべきものです。
②NPO法人ソルウェイズ(北海道札幌市)
「こども未来支援拠点あいのカタチ」を運営。小児科・病児保育・訪問看護・短期入所を一体化した支援体制を整備し、24時間対応可能な環境を構築。ここまでできるのかというすごい活動をされています。
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表彰を行ったあと、引き続き、私が進行役となって、それぞれから事例発表をいただきました。
浅野さんは医療型短期入所実施に向けての苦労話があり、3年がかりで病院を説得しつつ、不安解消のために複数の研修を準備したことや、赤字回避のための看護師確保支援の予算を取ったりと、このプロセスは自分自身、岐阜県庁時代に経験したことと重なりました。何より想いの強さに圧倒されました。
北良からは、笠井健社長が発表。東日本大震災や能登半島地震の支援経験のお話には、なるほどという学びがたくさんあったほか、特にコンテナを使った移動型避難所の整備や、医療的ケア児の災害訓練は飛騨市でも取り入れたいと思う点がたくさんありました。
ソルウェイズからは、自らも医療的ケアの必要なお子さん二人を持つ代表の運上昌洋さんが発表。法人設立から今年で8年という中で、あらゆる支援を一挙に行う事業所へと成長発展される中にも、しっかりと事業計画を立てここまで来られています。「子どもたちが来たいと思うこと」を最も重視されるというお考えに感銘を受けました。
いずれの皆さんにも共通するのは、目の前の医療的ケア児の様々な困りごとになんとかしたいという強い思いを持っておられることです。思いこそが、突破力になるんだということを改めて感じましたし、こうした思いを広げていきたいですね。
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今回の表彰式も、事務局長の戸枝陽基さんの社会福祉法人むそうのイベント「ふわりんクルージョン」の一部として開催し、大勢の皆さんの中での開催となりました。
午前中は、「鬼滅の刃から読み解く福祉の世界~猪之助の感覚統合や、猗窩座が鬼落ちしないためのソーシャルワーク~」と題して、スペースなるの梶原厚子代表取締役と、日本訪問看護財団松山相談支援センターの西村幸管理者、そして戸枝さんとのセッションでした。
私は鬼滅の刃を見ていないのですが、成長発達のプロセスや発達上の課題が身体への刺激の入れ方などで変わる点は、飛騨市での実践ともつながるところが多く、興味深く拝聴しました。
表彰式・事例発表のあとは、「人に優しいデザイン~企業も人に優しい持続可能な街や暮らしをデザインする時代に~」と題したセッション。
積水ハウス経営戦略本部の佐藤哲さんと、良品計画空間設計部の浅見一也プロジェクトマネージャーがスピーカーとなり、NPO法人起業支援ネットの鈴木直也副代表理事が進行役でした。
人が集まりやすい空間には、こういうポイントがあるんだということがわかり、勉強になりました。
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17時過ぎに会場を途中退出して、羽田空港で夕食。19時40分過ぎのフライトで富山空港経由の帰宅。自宅着は22時過ぎでした。




